どうも昨日のは自分の書きたいことが上手くまとまらなかったので、っていうかいい加減枚数がたまってきたので、ぼちぼち日本のヒップ・ホップの盤について書いてみよう。
ということで RUMI の前作『HELL ME TIGHT』(関連記事)から3年ぶりのセカンド。この盤についても書きたいことが山のようにあるんだけど、上手くまとまんなくて放置しっぱなしだったので、けっこう端折って書く。
なのでいきなり結論から書くんだけど、やっぱり私は折衷的な音楽が好きなんですね。
なんのかんのでアブストラクトから流れてきた感じの私からすると、「日本語ラップ」のラッパー偏重の聴き方には興味がもてないし、ヒップ・ホップにこだわっている様で、その実ヒップ・ホップに囚われた音楽も面白くない。ラップなんて曲を構成する要素の一つでしかないわけだし、貪欲に時代のビートを取り入れたものの方が楽しめる。
そういった意味においてこれは個人的にど真ん中。前作の、ひたすら呪詛を撒き散らすかのような作風から一転して、ジャケットに象徴されるように随分とポップになった。しかしそれは安易な擦り寄りなどではなく、前作の暗さを払拭し風通しをよくした結果であり、ほとんど歌と同化したような RUMI のラップも実にさまになっている。
そしてダブ・ステップやグライムを取り入れたビートも非常に刺激的で、今作のポップ・サイトを代表するダンスホール・グライムの “Fever!” の狂乱から、 TBH の o.n.o によるダークな四つ打ちと MSC の O2 のラップが不気味な雰囲気を醸し出す “極楽都市” への落差などたまらない。
さらに上手い具合に RUMI の女性としての顔もそこかしこに忍ばせていて、これこそいい意味で歌謡ヒップ・ホップじゃないですかね。