少し前におめでたが発表された篠原涼子。彼女って今でこそ仕事の出来るクールなお姉さま、って感じのイメージですが、東京パフォーマンスドールのときってすげぇパッパラパーなキャラだったよね。それがずいぶんと自然な形でイメージチェンジが出来てるように思うのは私だけでしょうか。
まぁ彼女の場合は10年以上経てば、そりゃキャラも変わるだろうというのはあるんだけど、 Kreva も一体いつの間にこんなに支持を得るアーティストになったんですかね。キックの頃からチャートでの成功というのは収めていたけど、ヒップ・ホップ・シーンからの批判というのも少なからずあったわけで、それが今では Seeda に胸を貸すみたいな事までしてるんだからね。「リアル・ハードコア」なお方に「聴くと勘狂う」とか言われてたのが、ずいぶん昔のことに感じます。
彼がここまでの支持を得る(言い換えれば信頼回復)ようになったのって、ソロ・デビュー作の『新人クレバ』の素晴らしさはもちろんのこと、楽曲的にはよりメロウになりながらも、課外活動的に韻踏合組合や DABO などの、シーンからの信頼の厚いアーティストと交流したりなどの、優れたバランス感覚にあると思うんだけど、むしろそれをシーンに対する言い訳としか感じない私のような人間にとっては、彼の現在の支持というものは寧ろ滑稽に映る。
そしてこのソロ3作目(2作目は未聴)。
そもそもソロになるきっかけの一つが、「”アンバランス” のメロディを書いたのが自分だと証明したかった」というものらしいので、ほとんど R&B じゃないかと思えるほどメロウになったのは、まぁいいですよ。私も海外のメロメロな R&B 好きですし。でもそういうのって男のダメさ加減が出てるから感情移入できるんであって、基本上から目線の本作の歌詞は全然面白くないのよ。そういった意味では弱気が顔を出す “アグレッシ部” が一番好きなんだけど、それまでに似たような曲がひたすら続くので正直飽きる。
それにここまで歌モノにいくんだったら、別に SHINGO☆西成の参加とかいらなかったと思うんだけど。っていうかもうシーンとかどうでもいいんじゃないかと思うんですけどね。色々厳しいことはいいつつも、日本のヒップ・ホップの中でも矢面に立つことの多い Kreva と Zeebra って評価してるんだけど、結局二人ともシーンを意識しすぎて、ここぞというときに毒を飲めない印象があって、それは現在の日本のヒップ・ホップの中途半端さと退屈さと無関係ではないように思える(関係ないけど、ここでの D.O の発言の方がそういった意味ではよっぽどいいと思う)。実際 Kreva にとって、音楽的にここら辺のラッパーとの交流が必要とはとても思えないわけで、だったらもう回りなんか関係なしに突き抜けたものを作ってほしい。その方が絶対面白いと思うんだけど。