とうとう「有閑倶楽部」終わっちゃいましたね。初回見たときにはあまりのつまらなさにどうしようかと思ったけど、回を重ねるごとにあのグダグダっぷりが好きになってきて、なんだかんだで楽しめたドラマだったんですけどね。
その「有閑倶楽部」の主題歌だったのがこの “Keep the faith” だったわけですが、今作は外せないせいなのか、けっこう気合の入った作品になっています。
というのも、前作の『喜びの歌』は一応赤西君の復帰作ではあったものの、元々田中君主演のドラマ用に赤西君抜きの5人でレコーディングしていた曲に、急遽復帰が決まったために6人で撮り直した、という経緯の曲だっただけに、あんまり復活ムードを煽るような感じもなく、ちょっと地味な作品でした。つまりは実質的に赤西君の復帰作は今作ともいえるわけで、さらに赤西君主演のドラマの主題歌、さらに作詞作曲は氷室京介、ともう準備は万端という感じ。
でも、とりあえず今作に関しては、あんまり氷室京介作詞作曲というのはどうでもいいかなぁ。
今まで KAT-TUN に楽曲提供した大物というと松本孝弘と小田和正がいますが、その二人の曲が、聴いただけで誰が作ったのか分かるような強い記名性を持っていたのに対して、この “Keep the faith” からはあまり氷室京介の存在というものを感じられない。まぁあまり他の歌手に楽曲提供とかしない人だから、実は記名性が強いのは声であり曲ではなかった、ということなのかもしれないし、それでけ KAT-TUN が成長したということなのかもしれないけど、そこら辺の面白味を期待してただけに、ちょっと残念。
でもこの曲を聴くと、やはり KAT-TUN にはこういうスタイルの曲が合うといいますか、基本はハードロックに、彼らの独自性を盛り込んだ曲はやはりカッコいい。特に今作では、頭の、ジャキジャキしたギターとベースの低音の鳴りや、赤西君のソロに中丸君のビートボックスが乗ってきて、田中君のラップに流れこむところなんか、もう悶絶しそうなほど。ただ難をいうと、それらの部分のカッコよさに比べると、サビが決定的にダサい。それはメロディもそうだし、アレンジもなんでこんなバタ臭いんでしょうか。これでサビがもっと洗練されていれば、 “Real Face” に匹敵する名曲になっただろうに、と思うと残念無念。
あと田口君が、自分が出演しているドラマの主題歌なのに、ソロパートがないのはあまりにも可愛そう。
とかなんとか不満などもつらつら書いてみましたが、そんなものを吹き飛ばしてくれるのが、初回限定盤付属のDVD。
メイキングの方も、真剣ながら和気藹々としてるメンバーが見れて楽しいんだけど、PVの方が何気に凝っていて非常に良い。正直今まで KAT-TUN のPVってそれほどいいと思ったことないんだけど、これは上手く曲のイメージを増幅している気がする。中でも、ラップも含めてとにかく悪そうなイメージだけで押し切ってしまおう、という変な気合が感じられる田中君が最高。最後のダンスもカッコよいし。
そしてカップリングの “Crazy Love” は、いかにもジャーニズという感じの甘いバラードで、これも悪くないんだけど、面白いのは通常版(初回プレス仕様)に収録された “Lovin’ U” で、ブルージー、というと大袈裟だけど、ちょっと泥臭い感じのR&B/ファンク・ナンバーで、あまり KAT-TUN にはなかった要素だけになかなか新鮮。この曲だけでどうこうはいえないけど、次につながるものを期待してしまいます。