「普通の女の子による等身大のラップ」っていうことで話題になっている女の子のデビュー作。
確かにジャケットでの佇まいを見る限り、一般的な女性ラッパーのイメージとは違う、そこら辺歩いてそうな普通の女の子という点は新鮮。
でもラップの内容はというと、若い女の子らしく恋とファッションにしか興味ありません、みたいな感じもなく(すいません、女の子のイメージが貧困で)、ヒップ・ホップに対する愛情だったりラップに対する姿勢だったりと、割とありきたりの内容だったりするので、まぁ語り口の独特のものを感じはするものの、外見ほどの新鮮さは感じられないかな。
しかしそれでも私が彼女のラップを魅力的だと思うのは、あまり押しの強くない抑揚を抑えたようなスタイルながら、そのラップからはそこはかとない歌心が感じられて、なんともいえないたゆたうような感覚があるからで、彼女の聞き取りやすい性質も相まって非常に心地良い。
とりあえずデビュー作としては十分な出来。あとは歌詞に独自性さえ加われば、結構面白い存在になるんじゃないかしら。