今まで karloff や background というレーベルから精力的にシングルを出していた frivolous の2枚目のアルバムは、なぜかあまり接点のなさそうな scape から。
frivolous といえば前作の『somewhere in the suburbs…』(過去記事)が、どこか奇妙でありながらも美しさをたたえたミニマル・ハウスで個人的には非常に魅力的だったのだけれど、そのアルバム以降は Herbert のような、その場で物を叩いたり割ったりする音をサンプリングするライヴの評判のせいか、 Herbert のフォロアー的な見方がされることが多くて、まぁこの新作はそうしう流れにすっぽりと収まった感じ。
というのも今作で目立つのはやはりジャズからの影響で、形式こそはミニマル・ハウスに違いないんだけど、音だけ聴くとジャズを思わせるものがかなり多い。それでもありきたりな感じにならないのは彼のサンプリング・センスのなせる業でしょうか。さらに今作は多くの曲にヴォーカルを配すことでポップさが増したし、リズムも適度なグルーヴを持っていて飽きさせない。
つまりは良く出来たいいアルバムなんだけど、それでもやはり frivolous の作品としては没個性な気がして物足りなさを感じてしまう。まぁ逆に言えば最近の Herbert に物足りなさを覚える人にはいいのかなという気もするけど。
- Midnight Black Indulgence
- Frivolous
- Scape Germany 2007-02-13
- 曲名リスト
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- Me and My Social Anxiety
- Sooo Savey
- Long Way…
- Post Depression
- Forget the Funk
- Abandoned Earth
- Good-Bye Regrets
- High on the Plateau
- Duct-Tape Mechanics
- Perle Moon
- You Gotta Sing
by G-Tools , 2007/05/06