イギリスのレーベル Leftroom から、2008年発表の Marc Ashken のファースト・アルバム。
彼は2005年のデビュー以降、それなりに話題にはなっていたものの、やはり2007年の『Skream Remixes EP』で注目を集めるようなったという印象が強いのだけれど、今作にはダブ・ステップからの影響というものはほとんど感じられない。
しかしだからといって、ストレートなミニマルなのかというとそんなこともなく、かなり面白いの個性を発揮している。
詳しいことはよく分からないが、おそらく何かしらのコンセプトがあると思われる16曲による今作は、様々なインタールードを挟みながら、非常に奇妙なポップ感を醸し出していて、それは Jay Haze にも近いものを感じるのだけれど、しかし Marc Ashken の場合、随所に四つ打ちのフロア・トラックを配置することによって、きちんとメリハリを作品に持たせていて、70分超という長尺な作品ながら、飽きずに聴き通すことが出来る。
今作は多分に網羅的な作品ではあるけれど、それでも彼の個性というものは生かされているように思う。