なんかもうやっとやっとって感じですね。盟友タリブ・クウェリと同時期に発売されるセカンド。
6年前のファーストやブラック・スターのアルバムが正にクラシックと呼ぶにふさわしい名作だったので、期待値はもちろん高かったんだけど、これはなかなか難しいアルバムだねぇ。
一聴してまず印象に残るのは大胆なロックサウンドの導入。イントロダクションに続く”Freaky Black Greetings”のヘヴィなギターリフにはびっくりするし、”Zimzallabim”はまんまヘヴィ・ロック。さらに”Black Jack”にいたってはロックを通り越してブルースだし。そしてアルバム全体の空気がとにかく重苦しい。ジャケットやタイトルからしてかなりメッセージ色の濃い内容だと思うんだよね。私は英語を解せないんだけど、多分ブギー・マンが世を憂いているような感じでしょうか。しかも”Modern Marvel”ではマーヴィン・ゲイの”What’s Going On”まで引用してる。だから前述の2作のような感じを期待するとかなり裏切られる。っていうか私はそうでした。なんだけど、今の時代のサウンド・トラックとしてこんなにふさわしい音もない気もする。そして何でも聴ける味わい深さもっている。でもこのアルバムにはヒップ・ホップの持つ躍動感が決定的に欠けてる気がするなぁ。とにかくモス・デフにまでこんなアルバムを作らせてしまう時代なんだなぁ・・・、と寂しい気分ですね。