何気にCircuscompanyからオリジナル・アルバム出すのってこの人たちが初めてかな?
このNôzeについてはよく知らないんだけど、CircuscompanyからのデビューEP聴いたときは、Herbertに影響を受けて生活音取り入れたハウスやる人たちくらいの印象しかなかったんだけど、続くKaratからの12インチのはっちゃけっぷりが凄くって、しかも実はこの人たちブラス・バンドであるなんてことも分かって、まぁ、そんなこんなで期待していた作品であります。
でね、これがまた珍妙なアルバムなんですよ。基本的には先に名前を挙げたHerbert以降のハウスということになるんだけど、生音の取り込み方が非常に面白い。リズムも単なる四つ打ちにとどまらず、生ドラムやパーカッション、ハンドクラップや舌打ちなどを用いて重層的なリズムを作り出しているんですね。そこにジャズやソカ、ラテンなどを感じさせるブラスが乗り、音楽的な豊かさも感じさせてくれます。しかもほぼ前編にわたって珍妙な言葉を発するヴォイス・ループやコーラスが重なりリズム、メロディの両方を担い、同時にユーモラスな印象を与えることで作品をとても聴きやすいものにしていると、なんかもう至れり尽くせりな内容です。
ちょっとこういう物言いは何なんだけど、個人的にはHerbertのビッグ・バンドに期待していた音そのものという感じです。とにかく面白い物好きにはマストな1枚ではないかと。