ギリシャのプロデューサー Sawf が2011年に Perc Trax から出したファースト・アルバム。
私はこの人の名前を今作で初めて知ったんですが、元々2年前に Perc Trax に送ったデモがデビューのきっかけになったみたい。
1曲目が重厚な機械音を思わせるインダストリアルっぽくて、いかにもこのレーベルらしくはあるのだけれど、それ以降に関してはむしろ m_nus に近いアシッド・ミニマルが並んでいてちょっと意外。ただ覚醒するような感覚の強い m_nus に比べると、こちらは淡々としていながらも徐々に沈みこんでいくような暗さがあり、その荒涼とした雰囲気はやはりこのレーベルらしい。
ただドローンっぽい引きずるようなリズムの上に奇妙なヴォイス・サンプルが乗る “Ninio” や、重たいリズムと機械音で緊張感を作り出している “Peplo” など、面白い曲は少なくないものの、いかんせんどれも地味なので、ちょっと聴く人は選ぶかも。
まぁその分長く聴けそうな良盤かと。