マンチェスターの SBD のフリー・ミックステープ。
ジャケットも見て分かるとおり彼は若く、なんとまだ15歳。しかしMCは10歳のときから、ラッパーとしては12歳のときから活動しているそうで(彼がどういう基準でMCとラッパーを分けているのか分からないけど)、スキル的な稚拙さはそれほど感じないものの、声そのものの幼さというのはいかんともしがたく、全体の印象としてはどうしても軽く感じられてしまう。
しかしヒップ・ホップのトラックだけではなく、性急なグライム、生演奏のロックやレゲエなど、ここに収められた10曲だけでも様々なビートを乗りこなしていて、そこに若さゆえの可能性を感じるし、面白さもある。中でもオートチューンを使った “The Best” や物憂げな “Where Are You Now?” など、メロディアスな曲が、声の若さもあってよく合っている。
イギリスのラッパーってレゲエ文化の影響からか、どうしてもラガっぽいMCが多いように思えるけど、そんな中にあって彼がこのまま個性を伸ばしていけたら、面白い存在になるのではないでしょうか。