去年はわりと暇だった仕事が、年が明けてから急に忙しくなったおかげで、あんまり音楽聴く時間もとれない毎日なんですが、かといって更新しないのもなんなんで、だらりと書きたいと思います。
グライムの MC の中でも早い時期から活動していた Wiley さんの、正規盤としては多分2枚目となるアルバム。
正直グライムに音楽的な面白味というものは感じない人間なんですが、今のヒップ・ホップにはない初期衝動が感じられる点はけっこう好きで、さらにこのアルバムに関していえば、とにかく淀んだ空気感でいっぱいなのが非常に良い。そして黒く塗られた公園で佇むジャケットの Wiley の表情。もうコレだけで十分です。
あとは蛇足なんですが、思えば私が好きだったヒップ・ホップは、みんなジメジメとした淀んだ空気を纏ったモノばかりだったはずなのに、気が付けば TBH も韻踏もずいぶんとすっきりとした音ばかり鳴らすようになりやがってさ。そんなんじゃ、安易な答えばかりを安売りする J-POP と変わんねぇじゃんよ。アンダーグラウンドというのは音や売り上げではなく、姿勢や思想を指すものだ、といわれればその通りだと思うんだけど、それでもこの空気感こそがアンダーグラウンドなんじゃないのかと思うわけですよ、私は。
そういった意味ではイギリスって、日本みたいに特別暴力の匂いをさせずとも路地裏の空気を纏ったアーティストがたくさんいて、すげぇいい国だと思います(よく分かんない締め方だ・・・)。